朝日作曲賞と松原混声

別の記事で紹介しましたとおり、松原混声は、全日本合唱連盟70年記念表彰にて、「合唱音楽の普及、発展に寄与した個人・団体」への感謝状を頂戴しました。

なぜ一介のアマチュア合唱団である松原混声が、そのような重鎮の皆様の末席に加えていただけたのか、直接のご説明はなかったものの、同日に関係者に配布されていた「全日本合唱連盟70年史」の中に、下記のような記述があります。

合唱組曲作品公募
優れた合唱作品を公募し広めることを目的に1971年(昭和46年)から実施しています。1979年からは入選作をコンクール課題曲に採用するようになり1990年からは朝日作曲賞が設置され、朝日新聞社から賞金100万円が贈られるようになりました。
この10年は、朝日作曲賞受賞の上田真樹、土田豊貴、森山至貴、旭井翔一、森田花央里、山下祐加、市原俊明、面川倫一など若手作曲家が、受賞をきっかけに各地の合唱団に作品を委嘱され初演されるようになりました。また、最終選考に残った組曲を実演してきた東京都合唱連盟の松原混声合唱団の功績は大変大きいものがあります。
(2017年5月20日発行「全日本合唱連盟70年史」全日本合唱連盟 この10年 より引用)

この記述の通り、松原混声はこの10年の演奏審査を担当してきました。さらには、それよりも前、選択曲公募の入選が「朝日作曲賞」と名称変更された1990年からのほとんどの年を担当しています。ちなみにあの信長貴富先生も、単曲審査時代の1994年、1995年、組曲審査第1回目の1999年の受賞者で、松原混声はその入選作の初演団体として記録いただいています。
現在も組曲審査ですので、最終選考に残った数点の組曲を数ヶ月で仕上げるのですが、ほとんど演奏会1本分の分量、しかも作曲コンクールに出すような意欲作ですので、技術的にも簡単ではない場合が多いわけです。松原混声のメンバーは、普段は会社員や教員をやっている普通のアマチュア合唱人ですので、譜読みが難しい曲でもホイホイすぐに歌えるというわけではありません(← たまに誤解されますが、これ本当)。当初は関屋晋先生、1998年からは清水敬一先生の強力なご指導と、ピアニストの内平先生の合唱の不出来にどこまでも寄り添ってくださる絶大な助けをお借りし、審査に足る演奏ができるよう十分な活動時間を割いて取り組んできました。今回はそのご褒美として、「朝日賞がんばりましたで賞」をいただいたと受け止めております(^_^)b

なお、審査演奏の担当合唱団については、全日本合唱連盟の季刊誌「ハーモニー」に入選作が発表される際、その記事の中に書かれています。直近では2016年秋号(178号)51ページの、鈴木輝昭先生の選評の中でご紹介いただきました。

選評 鈴木輝昭
第2次演奏審査会では、清水敬一氏指揮、内平麻里氏ピアノ、松原混声合唱団諸氏によって第1次審査を通過した3つの組曲が演奏された。水準の高い充実した演奏に感謝するとともに、3組曲(全11曲)の初演を果たされた労に改めて敬意を表したい。
(2016年10月10日発行 「ハーモニー」第46巻178号より引用)

今後も朝日作曲賞の発表があった時に、審査演奏団体がどこだったかもチラッと気にしていただけると、担当した団体も張り合いが持てることでしょう!

全日本合唱連盟 朝日作曲賞のページ
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