《松原うたまつり》プログラム紹介

今回、4月15日(土)に小金井 宮地楽器ホールにて《松原うたまつり》を開催いたします。
近年の自主公演はオペラシティで重量級な演奏会を行っておりますが、今回は松原としては珍しい「約90分のミニコンサート」という試みになります。〈歌い継ぎたいうた〉と題していますが、清水敬一先生の選曲と団員のアンケートの結果をすり合わせて、プログラムを構成しました。

第1ステージは、今年生誕90年・没後10年である三善晃の《小さな目》です。様々な視点が描かれたこどもの詩を題材に、三善の技術と理念が光る名作です。
実は、創団されて間もなく歌った初の三善作品でもあります。当時歌ったメンバーは、今では1人だけですが、その当時と、「今」の松原がどこかで繋がるような演奏ができたらと、個人的に思っています。

第2ステージの信長貴富《くちびるに歌を》は、2005年にオリジナルの男声合唱版が生まれましたが、今では合唱界にとっては非常に重要な作品でしょう。こちらは団員アンケートで(特に若手に)人気な作品でした。
ここまで、松原では信長作品の《新しい歌》(初演)、《初心のうた》を歌ってきましたが、それに連なるような名曲を「この時代に」歌うことで何かしらメッセージを伝えられたらと思います。

そして最後は、全曲初演になります根岸宏輔作曲「混声合唱とピアノのための組曲《遠望》」です。終曲(2022年の全日本合唱コンクールの課題曲G4)の「智慧の湖」は記憶に新しいでしょう。
この組曲は、2020年冬に松原が朝日作曲賞の演奏審査で歌いましたが、ちょうどコロナ禍がはじまり長い活動休止期間の後、試行錯誤しながら練習再開していた時に出会った作品です。
今よりもずっと閉鎖的な雰囲気が漂っていた中に、「世界の広がり」を思わせるような作風で、団員のなかで「なにかが変わった瞬間」でもあったと思います。才能あふれる根岸先生と新たな出会いもできました。これから歌い継ぎたい《遠望》を多くの方々にお聴きいただきたいと思っております。

「ミニ」といいつつ、いささか重い作品が多くなりましたが(笑)、今年で創団70周年を迎えた新しい〈松原混声〉をお見せできたらと思います。
《松原うたまつり》、多くのご来場お待ちしております。

根岸宏輔先生をお招きしての練習

ー歌い継ぎたいうたー
松原混声合唱団 Spring Concert

2023年4月15日(土)19:30開演
小金井 宮地楽器ホール ACCESS
指揮:清水敬一、真下洋介

  • 三善晃:混声合唱曲《小さな目》
  • 信長貴富:混声合唱とピアノのための《くちびるに歌を》
  • 根岸宏輔:混声合唱とピアノのための組曲《遠望》
    [2020年朝日作曲賞受賞作品 全曲初演(課題曲G4「智慧の湖」含む)]

全席自由 一般 2,000円/学生 1,000円
チケット販売サイト「Confetti(カンフェティ)」