2023年桐光学園中学高等学校合唱部の委嘱。ハンセン病により療養所に隔離され一生を終えた塔和子さんの詩に土田豊貴さんが作曲。塔さんの言葉は先の見えない閉ざされた生活であったにも関らず生命の息吹や愛に溢れていて、その真っ直ぐな気持ちが土田さんの音楽に随所に現れる。
1曲目の「青く澄んだ中に」の詩は心の時めきを素直に表していますが隔離生活を送る塔さんの「憧れ」とも感じられます。音楽は豊かに流れていて好きな人のことを想う心を明瞭に表しています。
2曲目の「光」は心温まる曲。一つの言葉を何度も大切に想うことで心が豊かになり輝きを増していきます。
3曲目の「ぬすまれた心」はセンチメンタルな曲調。心を奪われるような時めきを感じても踏み込めない事情があり日常のことを敢えて考えたりして気持ちを落ち着かせてしまいます。
4曲目の「明るさ」は、憧れの人を想う強い心と生きる希望が全面に出ていて音楽も終結に向かって明度が増していきます。